あたしはノドカの話を聞いてもまだ信じられなかった。


「今日、ここにミキコを呼んだのも全部計画通りなんだよ」


ノドカがあたしの前に立って言う。


「嘘でしょ……こんなの、嘘に決まってる!」


あたしが八つ目の七不思議になんて、なるわけない!


「さすがに自分のスマホでアプリを使うのは嫌だったから、ミキコのスマホを使わせてもらった。そのためにピアノ線を張ってこかせたの。ごめんね?」


ノドカはどこか楽しげな口調で言う。


「でも、アプリを使ってミキコを消す方法を考えたのはコウダイだよ」


コウダイくんはあたしへスマホレンズを向けて、動画撮影をしている。


「すげぇ! 本当に悪魔にとりつかれてるんだな!」


興奮して言うコウダイくんの視線はあたしの腹部に注がれていた。


確認してみると、両足は完全に消えて、腹部が薄くなり始めている。


「なんでこんなことするの!?」


恐怖と涙で声が震える。


もっと大きな声を出せば近所の人が助けてくれるかもしれないのに、悪霊が体に入り込んでいるせいか、思うように声も出ない。


「ヒントをくれたのはミキコちゃんだよ?」


コウダイくんの言葉にあたしは目を見開いた。


「あたし……?」


「そう。ミキコちゃんはこのアプリを使って吉田さんの存在を消した。それなら、同じことができるんじゃないかって考えたんだ」