6時間目が終わり、掃除の時間を使ってあたしは古井戸へ向かった。


井戸の周囲は木製の塀が建てられているけれど、井戸の上に蓋はされていない。


見を乗り出して確認してみると、真っ暗な空間が見えた。


「結構怖いよね……」


あたしは呟き、アプリで骸骨の手を出現させる。


ガイコツの手は井戸の端をシッカリと掴んでいて、時折誰かに助けを求めるようにうごめいた。


「これでよし! ここって雰囲気もあって本当に怖いんだよね、早く行かなきゃ」


教室へ戻ろうとしたとき、スマホが震えた。


ビックリして立ち止まり、画面を確認する。


そこにはコウダイくんからのメッセージが届いていた。


《コウダイ:今日の放課後会えないかな?》


そのメッセージにドキンッと心臓が高鳴った。


会いたい! と、心から思う。