「そうねぇ、だったら、みんなの名前から一文字ずつ。アレマにしましょうか」

 のんびりした声に、老紳士が小さく吹いた。そして、取り繕うようにゴホンと咳払いをする。
 あまりの適当な名前の付け方に愕然とする。

「ちょ、それはないでしょ!?」

 思わず突っ込めば、ギロリと老紳士がオレをにらんだ。そうだった、オレが逆らっていい相手ではない。
 
「申し訳ございませんでした、ご主人様」

 慌てて頭を下げる。

「うーん、アレマは嫌なのね。そうねぇ、そうねぇ……」

 イザベラは真剣に考えているようだ。

「だったらジャンはどうかしら?」

 暫くして、イザベラはオレを見てそう言った。