【web版】好きでいてもいいですか?-ひきこもり令嬢に購入された奴隷の話-(コミカライズタイトル:ひきこもり令嬢は購入した奴隷に溺愛される)


「契約させてください」

 答えは一つだ。

 答えれば、イザベラは俺の首にかかる鎖の錠を外した。ジャラリと重い鎖が、病的にまで白い掌に落ちた。
 新しい首輪をつけられるのだろうと、大人しく顎をあげて待っていたら、イザベラは不思議そうな顔をした。
 首輪は奴隷の証だ。逃げても逃げきれないように付けられる。まぁ、金さえ払えば秘密裏に外してくれる裏の稼業もあるけれど、金がなくては逃げられないようになっている。

「どうしたの?」
「あの、新しい首輪をつけるのでは?」
「そんなの嫌よ、みっともない」

 イザベラは嫌悪感を丸出しにして吐き出した。

 今までの屋敷では豪華な首輪を用意されていた。肌当たり良く鞣された革をきらびやかな宝石で飾り立て、家の家紋をゴールドのプレートにして付けるのが流行っていた。
 美しい奴隷はステイタスなのだ。