「レオ?」
「あ……、ずいぶん化けたな。見違えた」
「そっちこそ」
私たちの会話に、侍女さんたちが目を剥いている。
たしかに紳士が令嬢にいうセリフでもなければ、返答もおかしいかもしれない。でも私達の間じゃ通常運転の会話なのです。気にしないで!
「ん」
レオは、腕を差し出してきた。
「なに? もう時間?」
「その前に、俺の部屋に行こう。軽食を用意させた。しばらくは挨拶だなんだと食事をとる暇がないからな」
「え! それは駄目。お腹なっちゃう」
「そう言うと思ったからだよ。クロードも待ってる。行くぞ」
「うん。あ、侍女さんたち、ありがとう!」
ひらひらと手を振って、部屋を出る。そんな私を、レオは怪訝そうに見ていた。
「……侍女に礼などいらないだろう? 仕事だ」
「でも私にはこんなお化粧できないしね。やってもらってうれしいからお礼言っただけだよ。変?」
「変じゃないが。……ていうか、うれしいのか、着飾るの」
「綺麗になったらうれしくない?」
「……運動する方が好きなのかと思っていた」
「そりゃ、運動は好きだけど、女に生まれて、綺麗になれるのうれしくないわけないじゃない」
「……そうか」
ポリポリと頭を掻きながら、レオが微妙な視線を私に向ける。
なんだよ。その程度の顔で喜ぶなってこと? そりゃ、レオみたいな美形ならいつでも綺麗って言われるんだろうけどさ。私みたいな平凡な顔は、ちょっと綺麗にしてもらっただけでもテンション上がるんだから!
「あ……、ずいぶん化けたな。見違えた」
「そっちこそ」
私たちの会話に、侍女さんたちが目を剥いている。
たしかに紳士が令嬢にいうセリフでもなければ、返答もおかしいかもしれない。でも私達の間じゃ通常運転の会話なのです。気にしないで!
「ん」
レオは、腕を差し出してきた。
「なに? もう時間?」
「その前に、俺の部屋に行こう。軽食を用意させた。しばらくは挨拶だなんだと食事をとる暇がないからな」
「え! それは駄目。お腹なっちゃう」
「そう言うと思ったからだよ。クロードも待ってる。行くぞ」
「うん。あ、侍女さんたち、ありがとう!」
ひらひらと手を振って、部屋を出る。そんな私を、レオは怪訝そうに見ていた。
「……侍女に礼などいらないだろう? 仕事だ」
「でも私にはこんなお化粧できないしね。やってもらってうれしいからお礼言っただけだよ。変?」
「変じゃないが。……ていうか、うれしいのか、着飾るの」
「綺麗になったらうれしくない?」
「……運動する方が好きなのかと思っていた」
「そりゃ、運動は好きだけど、女に生まれて、綺麗になれるのうれしくないわけないじゃない」
「……そうか」
ポリポリと頭を掻きながら、レオが微妙な視線を私に向ける。
なんだよ。その程度の顔で喜ぶなってこと? そりゃ、レオみたいな美形ならいつでも綺麗って言われるんだろうけどさ。私みたいな平凡な顔は、ちょっと綺麗にしてもらっただけでもテンション上がるんだから!



