嫌味のカウンターアタックが来た。さすが奥様方。娘たちとは違ってただやられているだけではないらしい。
ああ、もう。レオのせいで、私の評判は最悪だよ。……といっても、レオに頼まれてやっているわけでもないから自業自得なんだけど。
はあぁぁ、と深いため息をついた次の瞬間、「これは奥様方」と低い声が聞こえてくる。
「お帰りだったのでは? 馬車が門前でお待ちしておりますよ」
「あら……オールブライド侯爵子息のクロード様。……失礼、こちらのお嬢様があまりに不敬なことを口にするものですから、少し注意していたのですわ」
「そうですわ。たかが伯爵令嬢が王太子様にまとわりついて」
口もとを扇で隠しているから鼻から上しか見えないけれど、目だけでも私を蔑んでいるのが分かる。ある意味分かりやすすぎて、いっそ好感が持てる勢いだ。
「おや、ご存知ありませんか?」
クロードは笑顔で彼女たちの批判を受け止めると、凄みさえ感じさせる低い声を出す。
「リンネ嬢は今度正式にレオ王子の婚約者となります。不敬なのはどちらでしょう。次期王太子妃に、あなた方は何をおっしゃったのですか?」
「え?」
途端に夫人たちは顔を見合わせる。
「ま……まあ、そうなのですか。それはおめでとうございます」
取り繕った笑顔を向けられて、ちょっと気味が悪い。それでも面倒くさいこの集団が消えてくれる方がありがたいので、私も笑顔を向けていた。
「さあ、門前が詰まるのでお早くご移動をお願いします」
うまくクロードが彼女たちを追い払ってくれ、私はホッと一息ついた。
ああ、もう。レオのせいで、私の評判は最悪だよ。……といっても、レオに頼まれてやっているわけでもないから自業自得なんだけど。
はあぁぁ、と深いため息をついた次の瞬間、「これは奥様方」と低い声が聞こえてくる。
「お帰りだったのでは? 馬車が門前でお待ちしておりますよ」
「あら……オールブライド侯爵子息のクロード様。……失礼、こちらのお嬢様があまりに不敬なことを口にするものですから、少し注意していたのですわ」
「そうですわ。たかが伯爵令嬢が王太子様にまとわりついて」
口もとを扇で隠しているから鼻から上しか見えないけれど、目だけでも私を蔑んでいるのが分かる。ある意味分かりやすすぎて、いっそ好感が持てる勢いだ。
「おや、ご存知ありませんか?」
クロードは笑顔で彼女たちの批判を受け止めると、凄みさえ感じさせる低い声を出す。
「リンネ嬢は今度正式にレオ王子の婚約者となります。不敬なのはどちらでしょう。次期王太子妃に、あなた方は何をおっしゃったのですか?」
「え?」
途端に夫人たちは顔を見合わせる。
「ま……まあ、そうなのですか。それはおめでとうございます」
取り繕った笑顔を向けられて、ちょっと気味が悪い。それでも面倒くさいこの集団が消えてくれる方がありがたいので、私も笑顔を向けていた。
「さあ、門前が詰まるのでお早くご移動をお願いします」
うまくクロードが彼女たちを追い払ってくれ、私はホッと一息ついた。



