一年前、レオのおじい様にあたる当時の国王陛下が突然の病に倒れた。
回復は見込めず、王は次期王の選定を迫られた。彼には息子がふたり。長子であり、武勇に優れたダンカンと、次男であり、聡明なジュード。当然長子であるダンカンが王位を継ぐと誰もが思っていた。
だが病床で、国王陛下はレオの父親であるジュードを次期国王に指名した。
自分のもとに転がり込んでくると思っていた王座を弟に奪われ、ダンカンは弟に並々ならぬ憎しみを宿してしまった。
国王陛下が身まかられ、ジュードが後を継いでしばらくしてのことだ。
ダンカンは、レオを人質に取り、ジュードを呼び寄せて殺害しようとしたのだ。
「人懐っこい子供だったレオには、それまで普通に会えていた伯父が警戒対象になったことが分からなかったんだ。国王が他国を訪問している間に、彼の内緒の呼び出しに素直に応じてしまった」
「ちょ、ちょ、ちょっと待って。なんか急に怖い話になってない?」
ずりずりとお尻で後ずさると、隣に座っていたレオに背中からぶつかる形になってしまった。レオは左手を私の背中に回し、右腕と自身の膝で頬杖をつくような体勢になって、下から顔を覗き込んでくる。
「……おまえ、意外と怖がりなんだな」
落ち着かせるように背中を撫でられ、彼の体温がほのかに伝わってくる。なんとなく落ち着いてくるのを感じて、私は息を吐きだした。
思い切り触っているけれど、レオはとくに調子が悪くなる様子も見せない。どうして私だと平気なんだろう。
回復は見込めず、王は次期王の選定を迫られた。彼には息子がふたり。長子であり、武勇に優れたダンカンと、次男であり、聡明なジュード。当然長子であるダンカンが王位を継ぐと誰もが思っていた。
だが病床で、国王陛下はレオの父親であるジュードを次期国王に指名した。
自分のもとに転がり込んでくると思っていた王座を弟に奪われ、ダンカンは弟に並々ならぬ憎しみを宿してしまった。
国王陛下が身まかられ、ジュードが後を継いでしばらくしてのことだ。
ダンカンは、レオを人質に取り、ジュードを呼び寄せて殺害しようとしたのだ。
「人懐っこい子供だったレオには、それまで普通に会えていた伯父が警戒対象になったことが分からなかったんだ。国王が他国を訪問している間に、彼の内緒の呼び出しに素直に応じてしまった」
「ちょ、ちょ、ちょっと待って。なんか急に怖い話になってない?」
ずりずりとお尻で後ずさると、隣に座っていたレオに背中からぶつかる形になってしまった。レオは左手を私の背中に回し、右腕と自身の膝で頬杖をつくような体勢になって、下から顔を覗き込んでくる。
「……おまえ、意外と怖がりなんだな」
落ち着かせるように背中を撫でられ、彼の体温がほのかに伝わってくる。なんとなく落ち着いてくるのを感じて、私は息を吐きだした。
思い切り触っているけれど、レオはとくに調子が悪くなる様子も見せない。どうして私だと平気なんだろう。



