ふたりで並んで優しい風を浴びる。人のざわめきが少し遠くに聞こえるのが、まるで秘密基地にいるようで不思議と楽しい。
「髪、落ちてるぞ」
「あ、さっき髪飾りを取られたから」
レオがほつれた髪を指でつまむ。クルクルと巻き付けては、ぱっと手を離してほどけていくのを楽しんでいるようだ。
レオは髪触るの、好きなんだな。
「他の奴には見せたくないな。……さっきは驚いたんだぞ、戻ってきたと思ったら男たちに囲まれるし。ライリー殿には攫われるし。脅かすな」
「ごめん。でも、私のせいではないと思う。それに、ローレンの魔法のせいだから、もう大丈夫だよ」
「いや、駄目だろう。べつに魔法なんてかかっていなくても、おまえは綺麗だ。これからもあんなことはたびたび起こるかもしれない」
それは絶対起きないと断言できるけれど、レオがそう信じているのかと思うと、なんか変な気分だ。彼に綺麗だと言われると、地に足がつかないくらいふわふわとしてしまう。自分が価値のある人間なんだと信じられるような気がする。
グウゥゥゥゥ。
そこで、ムードをぶち壊すように、私のお腹が悲鳴を上げる。
そういえば、開始からずっとバタバタしていたから、全然食べる暇がなかったな……。
……さすがに恥ずかしくて、真っ赤になって顔を押さえた。
これは百年の恋も冷めるやつだ。ムード台無し。ああ、やっぱり私では駄目なのでは……。
夜会で食べてる暇なんてないって、前回も言われてたんだから、事前になにか口にしておけばよかったよ。
「……そうだな。今日はそんな時間なかった」
「髪、落ちてるぞ」
「あ、さっき髪飾りを取られたから」
レオがほつれた髪を指でつまむ。クルクルと巻き付けては、ぱっと手を離してほどけていくのを楽しんでいるようだ。
レオは髪触るの、好きなんだな。
「他の奴には見せたくないな。……さっきは驚いたんだぞ、戻ってきたと思ったら男たちに囲まれるし。ライリー殿には攫われるし。脅かすな」
「ごめん。でも、私のせいではないと思う。それに、ローレンの魔法のせいだから、もう大丈夫だよ」
「いや、駄目だろう。べつに魔法なんてかかっていなくても、おまえは綺麗だ。これからもあんなことはたびたび起こるかもしれない」
それは絶対起きないと断言できるけれど、レオがそう信じているのかと思うと、なんか変な気分だ。彼に綺麗だと言われると、地に足がつかないくらいふわふわとしてしまう。自分が価値のある人間なんだと信じられるような気がする。
グウゥゥゥゥ。
そこで、ムードをぶち壊すように、私のお腹が悲鳴を上げる。
そういえば、開始からずっとバタバタしていたから、全然食べる暇がなかったな……。
……さすがに恥ずかしくて、真っ赤になって顔を押さえた。
これは百年の恋も冷めるやつだ。ムード台無し。ああ、やっぱり私では駄目なのでは……。
夜会で食べてる暇なんてないって、前回も言われてたんだから、事前になにか口にしておけばよかったよ。
「……そうだな。今日はそんな時間なかった」



