「待たせたな、ローレン」
ローレンのエスコート役である、レットラップ子爵の登場である。
「あーあ。私も親じゃないエスコート相手が欲しいなぁ」
「それは私が言いたい。こんな時にエスコートをお願いできる男性がいないとは嘆かわしい。あれほど夜会にもつれだしてやったのに」
子爵は呆れたため息をつき、レオを見やった。
「レオ様、誰かローレンを任せられるような男性はおられませんか」
「任せられるような……?」
言われて、レオが途方に暮れたような顔をし、そして肩をすくめた。
「悪いが、俺は友人も少なくてな。……母上に頼んでおこう」
「ちょっとー! レオ様、その態度酷くないです?」
ぷんすか怒り出したローレンだが、レオは意に介した様子もなく、ローレンを完全に無視して歩き出した。
歓迎の宴は、城の一階にある中広間で行われる。魔術院開設時に出資してくれた人を中心に、紹介を兼ねて招いているということで、常の夜会に比べれば、人は少ない。
それでも、普段から夜会に出ない私にとっては、人がごった返しているように見えるし、レオについて挨拶周りするだけでも疲れてしまった。
主役であるライリー様はまだ来ておらず、会場はちょっとした社交の場となっている。
「疲れたか?」
レオの気遣いがうれしいけれど、甘えているわけにもいくまい。
「大丈夫」とほほ笑んで見せると、ローレンがひとりでやってきた。
ローレンのエスコート役である、レットラップ子爵の登場である。
「あーあ。私も親じゃないエスコート相手が欲しいなぁ」
「それは私が言いたい。こんな時にエスコートをお願いできる男性がいないとは嘆かわしい。あれほど夜会にもつれだしてやったのに」
子爵は呆れたため息をつき、レオを見やった。
「レオ様、誰かローレンを任せられるような男性はおられませんか」
「任せられるような……?」
言われて、レオが途方に暮れたような顔をし、そして肩をすくめた。
「悪いが、俺は友人も少なくてな。……母上に頼んでおこう」
「ちょっとー! レオ様、その態度酷くないです?」
ぷんすか怒り出したローレンだが、レオは意に介した様子もなく、ローレンを完全に無視して歩き出した。
歓迎の宴は、城の一階にある中広間で行われる。魔術院開設時に出資してくれた人を中心に、紹介を兼ねて招いているということで、常の夜会に比べれば、人は少ない。
それでも、普段から夜会に出ない私にとっては、人がごった返しているように見えるし、レオについて挨拶周りするだけでも疲れてしまった。
主役であるライリー様はまだ来ておらず、会場はちょっとした社交の場となっている。
「疲れたか?」
レオの気遣いがうれしいけれど、甘えているわけにもいくまい。
「大丈夫」とほほ笑んで見せると、ローレンがひとりでやってきた。



