「三琴先輩、もしかしてコンタクトが入ってないとかですか」
「いや、そもそも俺裸眼だし両目2.0あるよ」
「…じゃあ、多分視力が急激に下がったか何かだと思うので今すぐ眼下に──」
行ってください、
そう言おうとした口は、アイスによって封じられてしまった。
ひんやりとした氷の感覚が唇をつたったので、冷気に耐えられずしゃくりとアイスをかじれば、ソーダ味が口の中にひろがった。
「ど、うまい?」
「…、うまいです」
「やっぱ夏はアイスにかぎるよなー」
「み、こと先輩」
「紘菜ちゃんやっぱ疲れてんだよ。さっきから何言ってるかわかんなかったし」
私の口から解放されたアイスを頬張った三琴先輩。さりげない間接キスに、心臓が大きく音を立てた。
何言ってるかわからないって…私は三琴先輩のほうがなにいってるかわからなかったのに。



