ずるいよ先輩、甘すぎます








「…わ、わかりました」

「ん。じゃあ俺も買い出し済ませちゃうからまたあとで」

「あ、つかなんか残ってた仕事あった?ごめん、俺が話しかけたせいで…」

「…大丈夫です、」





───どうせ、あと10分であがりなので、



ついさっき真渡くんに言われて呆れた言葉を、私が三琴先輩に言うなんて思っていなかった。


隣で「なるほどね?」と小さく呟いていた真渡くんには、敢えて気づかないふりをする。





「そっか。あと少しがんばって」

「ありがとうございます」




そういって三琴先輩はお菓子コーナーのほうに行ってしまった。



バイト漬けの日々にこんなプチサプライズがあるとは思わなかった。三琴先輩に会ってから、こころなしか自分のテンションが上がったような気がする。




「お、」

「私、トイレ掃除してきます」



真渡くんの言葉を遮るように言うと、彼は はっとわらった後、「りょうかーい」と間延びした返事をした。


……タイムカードを切ったら、真渡くんに余計な詮索をされる前に着替えてお店を出ないと。