なにより、三琴先輩は受験生。
先輩はやさしいから、遊びに誘ったらきっと来てくれるだろうけれど、勉強に支障が出たら困るな…と思っていたのである。
泊まり込みで勉強をしていたと聞き、やっぱりなにも連絡しなくてよかった、と内心ほっとした。
「紘菜ちゃん、何時あがり?」
「22時です」
「じゃあ待っててもいい?せっかく久々に会ったし、息抜きがてら家まで送ってくよ」
やっぱりスマートだ。
なにひとつ違和感のない誘い方。
断る理由はどこにもない、───いや、理由があったとしても、私が三琴先輩の誘いを断ることはこの先もないような気がしている。
「だめ?」と首をかしげる三琴先輩に、あわてて首を横に振った。



