三琴先輩のおかげで、
三琴先輩のせいで、
私の生活はこれまでとは違ったものに変わった。
恋に遠慮はいらないらしい。
人を好きになるのに時間も立場も関係ないらしい。
頭では分かっていてもどうにもできない人間くささが、今の私にはある。
これを恋と呼ばないとするならば───ほかに何と名前をつければよいのだろう。
善し悪しはよくわからない。
けれど、少なくとも1人――目の前にいる空気を読まないチャラ男くんは、私のこの曖昧な感情を受け入れてくれるみたいだった。
「まあ、相談ならいつでも受け付けてるよ」
「…、」
「お、22時なった。あがりー」
「真渡くん、」
「なに?」
「…ありがと」
「ふ。どーいたしまして」
まさか真渡くんに背中を押されるとは思っていなかったけれど、バイト仲間に真渡くんがいてよかったな…と心の中でおもった。



