この間、このコンビニ内で春先輩が話していた内容を真渡くんがきいていたかどうかは分からない。
けれど、三琴先輩と花火大会に行く約束をしていたことも その花火大会で先輩とすこし気まずい関係になってしまったことも、それ以来会っていないことも、真渡くんは何も知らないはずなのに。
「何があったか知らないけどさあ、うじうじ悩むくらいなら曖昧な感情ごと相手にぶつけたほうよくない?あとから『あの時実はこう思ってました』って言ったって、手遅れになってからじゃ意味ないじゃんー?」
「……それは、」
「だから勿体ないって言ってる。遠慮しなきゃいけない恋なんかないよ。…まあ、それが善か悪かは嫌でも評価されちゃうけどね」
「……、」
……さては真渡くん、すごく複雑な恋を経験してきたか?
真渡くんとは他愛ない会話しかしてきたことがなかったし、何よりただのチャラ男くんだと思っていたから、こんなふうに彼の言葉に考えさせられる日が来るとは思っていなかった。



