でも、好きだと言えない。気づかれてもいけない。

 日に日に美しくなっていくベルンに、どれ程恋い焦がれようとも。


 ベッドの上からベルンの気配が降ってくる。
 安らかな寝息を壊したくないと思う温かい気持ちのその裏で、違う吐息を聞いてみたいと薄暗く思う自分がいる。
 その自分を抑え込んで、今日も俺は紳士的な騎士を気取るのだ。