無防備な白いシャツ、サスペンダーのせいで薄い胸の膨らみが目立つ。首筋のボタンから鎖骨が零れる。倒錯的で煽情的だと、どうしてベルンは気が付かないんだろう。
 細い首筋に張り付く青い髪を指で絡み取りたい。

 触れたい。友達としてではなく、触れたい。

 妄想を振り切るように、ホットミルクを用意して、疲れ切ったベルンに手渡す。
 子どものような顔で嬉しそうに味わう横顔。同じソファーの背に腰かける。友達としてのギリギリの距離を計る。許されるギリギリの近くまで行きたい。
 
 シュテルと自分を比較する卑屈な俺に、ベルンがさも当然のように『イケメン』なんていうから、心が跳ねる。嬉しくなる。
 誰よりもベルンにそう思われたいのだ。