男ばかりの士官学校で、ベルンを守る砦でなければいけない。安心して帰れる場所を用意できるのは俺だけだから。

 情熱的な太陽な騎士、そんなのは嘘だ。全部、ベルンに安心を与えるため。ベルンに欲望を向けていないと、安心させるためだけだ。運命の人なんて、もうとっくに見つけてる。

 だからこそ、知りたい。
 全て知っていたい。
 俺だけは、ベルンの全てを知っている、そのはずだから。

 世間話を装って、好きな相手を軽く聞いてみる。クールな騎士には本命がいるのではないかと、今日の噂で聞いたからだ。
 ベルンはあっけなく否定する。
 恋なんか知らない、そんなふうだから安心する。