帰り道は、来た道と真逆だった。 王都に向かって続く広く整った馬車道が恨めしい。 後ろ髪を引かれる気分で、流れる風景を見ていた。 「どうだった、アイスベルク領は」 父上の声が弾んでいる。 「楽しかったです」 素直に答える。 もう大丈夫かもしれない。 子どもたちの集まりで苦しむことはあるかもしれないけれど、俺にはちゃんと仲間ができた。 分かってくれるヤツがいる。 だからきっと大丈夫だ。