「すみませんでした」 「うん、無事でよかった」 「……本当に、ご、めんっな……」 「今日のことは忘れちゃいけないよ」 「……はい」 言うまでもなく忘れられない出来事になった。 アイスベルク侯爵は席を立った。 ベルンは天井を仰いで泣いている。 俺はベルンのベッドに上がり、ベルンの肩を抱いた。自分の喉も、ヒっク、ヒっクと音を立てる。目玉が融けてしまうんじゃないかと思うほど熱い。