オブリがワンワンとけたたましく吠えたてた。
 ミシミシと音を立てる氷の桟橋にハラハラとする。

「戻れ! ベルン!! もういいから!」

 俺が叫んだその時、ベルンは桟橋の先に凍りついたブーメランを取った。

 振り向いて掲げて見せる。氷がキラキラと光った。

 その瞬間、緩やかに水が盛り上がった。

「ベルン様!」

 ウォルフが叫ぶ。

 俺は同時に駆け出した。
 氷の桟橋をベルンに向かって駆ける。パキパキと不安定に鳴る足もと。慌ててベルンを引き寄せた。

 瞬間、桟橋に乗り上げる水の塊。