こちらが仲良くなろうと思っても、相手の子は親の影から出てこない。
 結局、大人同士が話をするだけで、子供同士は互いに違う遊びをするのが常だった。

「アイスベルクにはお前と同じ年の子供がいるから楽しめるだろう」

 父はそういうが、俺はゾッとした。どうやって暇をつぶそう、それくらいにしか思えない。しかも、アイスベルク領は田舎だと聞いていた。
 きっとつまらないだろうな。なんで父上は毎年あそこへ行くんだろう。
 そうとしか思えなかった。


 馬車に乗っての憂鬱な旅路。
 俺の住む王都からアイスベルクに向かって、どんどん寂しくなっていく。
 馬車道だけがやたら広くて整備されている。
 大きな石橋を渡って、魔物が出そうな森を抜ける。

 その先。