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 一月から九月の社交シーズンが終わると、父上は毎年アイスベルク領へ狩りに行く。
 
 社交に重きを置いている父上は、気安い相手や場所になど俺を連れ歩くようになっていた。

 実は俺はそのことに辟易していた。

 大人ばかりの場はまだいい。子供がいる場に正直ウンザリしていたが、父上は子供同士の方が気安いだろうと、子供がいる場に俺を連れて行きたがった。

 見た目が厳つく真っ赤な髪に褐色の肌の父上は、どう見たって怖い。その髪と肌を受け継いだ俺も、初対面の子供には何時だって同じように怯えられた。