同じ齢だったこともあり気の合った私達はたくさん遊んだ。
 都会育ちで田舎を知らないフェルゼンに、自然の中の遊び方を教えた。
 代わりに私は剣やボードゲームなどをフェルゼンから教わった。
 フェルゼンの砕けた口調に私もつられて砕けた口調となり、気が付いたらベルンと呼ばれるようになっていた。
 帰るころには二人で遠乗りに行けるほどに、フェルゼンは乗馬をマスターしていた。


「なぁ、ベルンは王都には来ないのか?」
「うーん、お父様もめったに王都へは行かないしね」
「……だったら、俺が来るしかないな」
「私も王都に行くときはフェルゼンのところへ行くよ」
「約束だぞ!」
「うん! フェルゼンもまた来てね!」


 私たちはそう約束をして別れた。
 それが、フェルゼンとの初めての出会いだった。