そう笑えば、フェルゼンはパチパチと瞬きした。
 そして、一度唇をかみしめて、地面に視線を落とした。両手が硬く握られていて、なにか怒らせたのかと不安になる。

「馬は……、すぐに乗れるようになるのか?」
「どうでしょう? やってみなくては分かりません」
「じゃあ、やる! すぐやる! 父上! 俺も馬に乗れるようになりたい!」

 フェルゼンがそういうと、おじさまはしてやったりという顔で笑った。

「ベルン、フェルゼンに付き合ってくれるかい?」

 おじさまがの言葉に、私は元気よく頷いた。