フェルゼンはそのまま私のだらけるソファーの背に、腰を掛けた。
 
「まぁ、なんだ、そういうのも困ったら言えよ」
「ん?」
「ご令嬢に告白されたとか、気になる野郎ができたとか?」
「ないないない」
「でも、恋愛沙汰とかあってもおかしくない年だし」
「まぁね、でも、私良く分かんないんだよね、そういうの」
「そういうの?」
「女の子を抱きたいと思わないし」
「お、おま! そういう言い方!」
「男の子も抱きたいと思わないし?」
「だから! おまえは!!」
「お嬢様方がフェルゼンとかシュテルに騒ぐの意味不明だもん」

 そう言えばフェルゼンは微妙な顔をした。