「私がやるね」
ベルンがそう言ってオレンジジュースを取ろうとする。侍女は慌てて、ジュースの瓶を拭いてから、ベルンに手渡した。
「はい、シュテル、どうぞ」
そう言うと、自らシュテルのグラスにオレンジジュースを注ぐ。シュテルは照れたように笑って、グラスを差し出した。
なんだか、ベルンらしくない。シュテルが王子だから媚びるのか?
顔をしかめる俺を見てベルンは笑った。
「はい、フェルゼンも」
俺のグラスにもベルンがオレンジジュースを注ぎ、最後に自分のグラスに注ぐ。
「それじゃ、かんぱーい!」
シュテルが言って、三人でグラスを合わせる。
キンと高い音が響いて、グラスがキラキラと光った。
オレンジジュースを一口のみ、俺とシュテルは顔を見合わせる。



