「王子様はどんな我儘を言ってたんだ?」
フェルゼンがニヤニヤ笑う。
「たわいもないよ、自分色の扇がなくて拗ねてた」
「王子の? 黄色か? さすがにそれは不敬だろ」
「緑だって」
「オレンジだってないだろ!」
ムッとして言うから、思わず笑ってしまう。
「君、本当にシュテルが好きだよね」
そう言えば、眉間の皺を深くした。
決まった相手が見つからないのは、シュテルと仲が良すぎるせいじゃないか、なんていうのは冗談だけど。二人が仲が良いのは微笑ましいと思う。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…