王宮に着けば、シュテルは馬に乗って俺たちを待っていた。シュテルの馬はアイスベルグから送られた白馬のスノウだ。
 俺たちは王宮の馬を借りてそれに乗る。最初はおっかなびっくり馬に触れていたシュテルだったが、だいぶ乗馬になれてきて、今ではひとりで乗れるようになった。
 俺たちは少しの従者を連れて、王城の森へ入る。一番奥の丘まで行き、そこで一休みをして帰ってくる予定だ。グルリと森を巡るのだ。
 ベルンは初めて入る王宮の森に目をランランと輝かせている。
 野性的で薄暗い森しか知らないベルンにすれば、花々の咲き乱れる明るい森は新鮮なのだろう。