宵闇の騎士の指先からこぼれるキラメキが、太陽を射て広がる。そのキラメキに、太陽の騎士の指先から熱風が放たれる。
 霧が広がり、太陽を囲むように丸い虹(ハロ)が生まれた。

「幸せにな!」

 太陽の騎士が声を張り上げる。
 お幸せに、と復唱する声が響いた。

「「もちろん!」」

 二人は弾けるように笑って手を振ると、馬車の中に消えていった。

  
 祝福の鐘が鳴り響く。
 レーゲンボーゲン王国の空には白虹が架かっていた。