あそこにいるのは、宮廷魔道士のザント・フォン・マルモア。紫紺のローブは大魔道士の証だ。その隣には、この国の王女マレーネ・フォン・ミルヒシュトラーゼ姫が金の長い髪をなびかせて佇んでいる。
蒼白な顔をしたザントが、マレーネ姫に腕を取られて震えている。エスコート役に緊張しているようだ。
ベルンシュタインは微笑んで、手に持ったブーケを投げた。
そのブーケは、マレーネ姫の腕の中に落ちる。
「次は君たちの番だよ!」
ベルンシュタインの声が響く。マレーネ姫はにっこり笑って、ザントは顔を真っ赤にした。
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