【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)


「『この帽子を受け取った人へ 出来たら君もいつの日にかここでトスして、ここは最高だよ』って書いたんだよ」

 口で言ってしまうと、なんだかすごく恥ずかしい。

「ああ本当! ここは最高だった!」

 ガシリとシュテルに肩を組まれて、その反対からフェルゼンも肩を組む。後ろからクラスメイト達が次々とのしかかってくる。

「重い! 重いから!!」

 講堂の下から歓声が上がり、ラッパ隊の校歌が響く。みんなで肩を組んで校歌を歌って、賑やかな卒業式は幕を下ろした。