校長の式辞や来賓祝辞などが終わり、在校生の送辞だ。これは首席のクラウトだ。そしてそれに答辞で答えるはシュテルである。
閉式の宣言がおこなわれた瞬間、卒業生は立ち上がり講堂の二階のバルコニーへ駆けあがる。これは伝統だ。それに負けじと在校生は外へと飛び出す。
講堂のバルコニーへ出てみれば、講堂の前にはたくさんの人たちが集まっていた。これから始まるハット・トスが目当てなのだ。
卒業生が、必要なくなった士官候補生用の帽子を投げる卒業イベントだ。
中にはメッセージを書いたメモを入れる者もある。私も学生証を簡単に破ってメモを書いて帽子に挟み込んだ。



