「帰ってこれてよかった」
ホロホロと涙が頬を伝う。
「当たり前だろ」
「俺たちみんなベルンに助けられたんだ」
「今度は俺たちが助けるに決まってる」
当然のように帰ってくる声に胸が熱くなる。
「本当にありがとう!」
もう一度言えば、みんな笑った。
「逆に遅くなってごめんね」
シュテルが私の背中を撫でた。
私は頭を振った。十分だ。卒業式に間に合っただけで、十分だ。
「卒業生は集まってください」
クラウトが声を張り上げる。私たちはそれに従って講堂の前に集まる。卒業式が始まるのだ。
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