「僕は、運命も作るよ」
あの日の言葉をシュテルがもう一度言った。
シュテルの大きな手が私の頬を覆う。
血液の中の金属がきっとシュテルに沸騰させられている。身体の中から熱くなる。体を巡っていく鉄が、シュテルの磁石に引かれてしまう。どうしょうもなく触れたい。
鼻と鼻が触れ合って、息と息が融け合って。
「ほら、逃げないと」
シュテルが意地悪に言った。
「魔法、使ってるくせに」
答えればシュテルが笑う。
「違うって言ったでしょ? 理由、分かった?」
悔しいけれど、答えは一つ。
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