【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)


 私が私のままでいい。

 当たり前なことなのに、なんでこんなに嬉しいんだろう。

「私もシュテルが好きだ」

 シュテルが安心したように微笑んで、手を離す。

「僕、臣下に下ったんだ」
「さっき聞いたよ」
「だから、僕と結婚しようよ、ベルン」

 唐突な言葉に、頭が付いていかない。