「やめて!」
再び二人の間に入る。
二人とも傷つけたくない。傷つけあって欲しくない。
「ウォルフ、剣を収めろ。これは命令だ。シュテルも剣を仕舞って」
私の言葉に、渋々というように二人は剣を仕舞う。
「いったい、なんなんだよ!」
ムカムカとせり上がってくる。なんで二人が傷つけあわなくてはいけないのか。意味が分からない。
「ベルン、選んで」
シュテルが言った。
「なにを」
「僕と王都へ来るか、アイツとここへ残るか」
ウォルフは黙ったままこちらを見ている。真っ黒な瞳が私を捕らえるように見つめている。
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