「迎えに来た」
迎えに来た、そう言った。ここは私の領地で、ここが私の居場所なのに、シュテルは私を迎えに来たと言う。
恐る恐るシュテルの顔を見た。
優しく微笑んでいて泣きたくなる。
名前を呼びたくて、でも声が出なくて、息を吸った。
そこへ馬の蹄の音が響いた。
見ればウォルフが、ヒラリと馬から舞い降りて私に走り寄った。
「ベルン様から離れろ!」
ウォルフが剣を抜く。シュテルに剣を向ける。
「ウォルフ! 止めて!!」
慌ててシュテルを背に庇う。
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