「それは明言を避けますが、報告書に事実は記載しますよ。それに、マレーネ姫の護衛はベルンシュタイン嬢がいいですからね」
「まあ、それはなんでかしから?」

 お姉様の笑顔が怖い。

「マレーネ姫がお望みだからです。それも、初めは白百合のお茶会から勧められたのでしょうけれど」
「まあまあ、そんな噂が?」
「アハハ、噂、噂ですかね? こうなるってみると良い布石だったと思いますよ。ベルンシュタイン嬢の功績を目の当たりしているわけだから」

 腹の探りあい怖い。
 リーリエお姉様は、アイスベルクの冷たい微笑で突き放す。