ああズルい。 「……違うよ。単純に女性が苦手なんだって」 女の子を恋愛対象としては見れない。でも、マナー違反で傷つけるのはもっとイヤだ、そう思う。 「おんなじだ」 「は?」 「僕もだよ。ご令嬢のギラギラした目は疲れる」 そう言って、シュテルはチラリと周りを見た。 確かにこちらの様子をうかがっているご令嬢たちがたくさんいる。こんな目で四六時中見られたらたまらないだろう。