「それなのに、男でも……なんだろ?」
フェルゼンは僕を見て歪に笑った。泣くのを我慢してるみたいだった。
僕はその言葉に頷く。
「俺はバカだよな。いつかバレる嘘なのに」
力ないフェルゼンの声に、何と言ったらいいのか分からない。
「俺とお前がベルンに言ったんだ。幼年学校に一緒に行こうって。だからベルンはここへ来た。他愛もない子供の口約束で、全てを偽る覚悟で来た。俺はそれが嬉しかったんだ、そうまでしても一緒にいたいと思ってくれてるって。俺がアイツに嘘をつかせた。嘘を付かせ続けた」
フェルゼンは腕で顔を覆った。



