「シュテル、分かる?」

 問えば頷く。

「魔力を貸して。シュテルのサーベルに水銀を張って」

 シュテルは苦しそうに、サーベルに魔力で水銀の膜を作る。私はそれを氷の魔法でコーティングして、奪い取った。

 私はシュテルを置いて立ち上がった。
 シュテルは、ゴホゴホとせき込み、口元から何かを吐き出した。

 呪いが解けたのだ。

 私はシュテルに振り返った。
 
「後を頼む」