初めてだ。初めてなのに。 悲しくて泣きだしそうだ。これで最後、終わりを告げる。 最初で最後の、接吻。 ひっそりとマントに隠して、そっと唇を啄ばむ。 これで最後だから、真実を言わせて。これが最期だから、もう一つだけ嘘をつかせて。 好き。今でも好き。だけど、忘れて欲しいから。貴方を過去にしよう。私を過去にして。 「好きだったよ」 そう絞り出す言葉。 瞳を覗き込めば、金の星がきらめいた。光が戻る。この国の希望の光。