「ベルン様は誰か誘われませんの?」 マレーネ姫が柔らかな茶色の瞳で尋ねた。 私は、特定のご令嬢と仲良くなる気はなかったから、自分からダンスを申し込むようなことはしない。間違った期待など持たせてはいけないからだ。だからクールだとか言われてしまうということも重々承知だ。 それでも、ご令嬢に恥をかかすようなことだけはしてはいけないと知っている。 やっぱり、女の子は可愛いのだ。自然と優しくしたいと思う。