慌てて俯く。 聞いてない! 夏休みなのに、なんで警護に入ってるの!? 目眩ましの魔法がかかっているから、バレるはずはないのだけれど、万が一を考えてドキドキする。 「何をしている?」 もう一度、フェルゼンが問う。 「愛の語らいですよ」 紳士がキザったらしく答えるから、私は慌てて首を振った。 「同意の上ではないようだが?」 私を見てフェルゼンが紳士に問い直す。