「ふひっ、し、死ぬかと思った……」
ザントが変な笑いかたで、ヘロヘロとしている。
「ボクは少し休むから、プッペは一人で適当に歩いてきて。失礼な客は逃げていい」
ヒラヒラと手を振られて、私は会場に戻った。
美味しそうなスイーツのタワーもあったし、ホスト側の人間(人形?)が居ないのもよくないと思ったからだ。
どうせ、話が出来ないのだ。周りも話しかけてこないだろう。
目立たないように戻ったつもりだったが、視線が急に集まって戸惑う。ご令嬢とはこんなに視線に晒されるもなのだろうか。
宵闇の騎士も注目を集めるが、あれは私を見ているようで虚像を見ているのがわかるから、宵闇の騎士のふりをして受け流すけれど、こういう直接的に見られるのは慣れていない。



