「そんなことしたら、身バレするのでお断りします」
「魔法をかけるから! 絶対バレないようにボクが保証するから! この国で一番の大魔道士のボクが保証するからっ!」
確かに彼は、変態でもこの国一番の大魔道士なんである。
その大魔道士に半泣きにすがられて、私はため息をついた。恩を売っておくのも悪くない。
「わかりました」
答えれば、ザントはにっこりと笑った。
「左手を貸して」
言われるがまま手を出す。
ザントは呪文を唱えながら、手の甲に筆で魔方陣を描いた。薄紫色のインクが不思議な紋様を描く。
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