「マレーネたんともっと絡んでぇ!!!」
「は?」
「いや、心の叫びが、そうではなく、仲良くしてくださいお願いします」
「別に貴方に言われるまでもなく、姫が許してくれるなら私はそうしたいと思ってる」
「あばばばば、マジ尊い」
「貴方がどんな目で私たちを見ているか知りませんが、私にしてみれば、姫様は妹のような方ですから」
「は、はは、は、拝むわ」

 ザントが私に向かって五体投地した。意味がわからなさすぎる。引く。

「いや、も、ほんと、いいです、ご馳走さまです、ありがとうございます、誰にも言いませんし、なんなら協力しますから、ワタクシメを下僕にしてください」
「いや、キモイし、姫様の前でそれはやめて」
「ひ、はは、ボクは自分がマレーネたんに絡むとか、マジで地雷だから! 手紙は発作だったから。見てるだけでいい。壁でいい。空気なんて吸われるかもしれないものになるのは烏滸がましい」
「交換日記は書いてください」
「お、おぅっふ」

 なんだかわからないが、とりあえず大丈夫なのだろうか?
 本当に言葉通りなのか不安でしかたがないけれど、これ以上問いつめたところで、安心できるわけではないので、牢屋を後にした。
 ザントはお兄様と同じ歳だったはずだから、後で相談してから考えよう。そう心に決めた。