「ま、警護に当たってた訳なんですよ? それだけなんですよ? でも、目の前であんなにメイドさんとマレーネたんが素晴らしいから、我慢できずに祝福をと。だって、結婚してたでしょあれ。実質結婚してたよね?」

 まったく意味の分からない。

「ですよね! 結婚してましたよね!」
 
 マレーネ姫が興奮して同意する。
 なんだそりゃ意味わからん。結婚はしていません。そもそも女同士です。

「してたしてた、マジしてた!」
「だから私、ザントさまと詳しくお話したいと思いましたの」
「や、それは無理、百合に乱入するモブ男とか地雷すぎる無理」

 ザントが両手を振って断る。
 マレーネ姫が、私にギュッとしがみついた。

「お姉さま、一緒にお願いしてください」