後ろから追いかけてきたフェルゼンが肩を組んできた。
フェルゼンの手はいつでも暖かい。凍りそうになる私の心を暖めてくれる。
「ベルン、さっきは悪かった。お前にあんなこと言わせるつもりはなかった」
フェルゼンの一言で、心が少し軽くなる。
「いや、フェルゼンには苦労かけるね」
「苦労なんかじゃねーよ。俺がお前と卒業したいんだから」
「サンキュ」
「それに、あー……なんだ」
「なに?」
「俺も似合ってる……と思う」
「は?」
「お世辞じゃないと思ったから、ムキになった。わりい」
フェルゼンが顔を赤くしてそっぽを向いたから、ビックリする。つられてこちらまで顔が赤くなる。
え、なに。らしくない。



