「冗談でも止めろよ?」 ゆらりとフェルゼンの背中に炎が立ち上がって見えた。 明らかに冗談なのに、めったに怒らないフェルゼンがマジギレしてる、怖い。 女の私を万が一から守るためだとわかるけど、ビックリする。 「あ、わ、わりぃ」 再び静かになる教室。 「だから反対だったんだよ」 シュテルの吐き捨てるような声が響いた。こちらも不機嫌だ。 クラスの空気が重くなってしまった。自分のせいでギクシャクするのはイヤだ。